アレハンドロ・アラヴェナ展に行ってきた

published at 2011.08.29 10:39

TOTOギャラリー間で開催されているアレハンドロ・アラヴェナ展に行ってきた。行こうと思ったきっかけは、友人がアレハンドロ・アラヴェナの設計事務所にインターンに行くと聞いたから。以前から建築という領域を知りたいと思っていたので、これを機会に遊びに行ってきた。


一枚の紙に切れ目を入れて立体物をつくっていたり、木材で模型をつくっていたりしていた。私はWebサイトを作る場合にパソコン上での作業とノートに書き起こす作業ぐらいしか行わないので、立体物をつくるというのは斬新だった。建築的な視点を持つと、ものごとを新しい観点から見つめられるようになるかもしれない。
展示場の2階に上がってみるとこんな空間になっていた。

そこにはこんな写真が貼ってあった。

この男性が体に巻きつけている布、これは”椅子”の役割を果たす。椅子という言葉を聞くと、私たちは背もたれがあり、4つの脚があり、尻を置く平面がある物体を連想しがちだ。この見慣れない”椅子”は伸縮性のない生地で、体に巻きつけて座るとちょうど背もたれのような役割を果たしてくれる。アラヴェナはこの椅子からヒントを得て、座るという行為を最もシンプルにデザインしたプロダクト”Chairless(チェアレス)”を作ったらしい。


デザインが求める理想的な形というのは、環境や生活様式によって変化するものなのだと思う。例えば、定住民族なのか、あるいは遊牧民族なのかという違い。私たちは定住して暮らしているので、椅子として使いやすいデザインを考えるときに、あのような形にデザインされる。このデザインを遊牧民にそのまま適用したとしても持ち歩きづらいという理由で使いづらいと言われるだろう。Chairlessのような椅子は、遊牧民の生活様式の理にかなったデザインなのだと思う。日頃の経験から、彼らはそれを考案したのだろう。

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