自分の弱さを共有することは、他者と相補的な関係を結ぶこと

published at 2018.09.08 05:20

ベイトソンの『精神の生態学』を読んでいる。彼はナヴェンの儀式の調査研究で、人間社会のコミュニティ的な活動における相補性の原理を発見し、それを「分裂生成(シズモジェネシス)」と命名した。イアトムル族の調査では、男同士が対抗的になっている対称的なコミュニケーションと、男女が役割を交換することによって発生する相補的なコミュニケーションが起きているという。

人付き合いをするとき、相手を対称的な関係として捉えるか、相補的な相手として捉えるかで、その人の見え方が変わる。他者を自分と切り離された誰かとして見るよりも、”内なる自己”として私が分化したものが相手であると認識をあらためてみる。誰かと協力して何かを作ることは、自分の弱い部分を認め、それを他者に共有するということではないか。

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