システムにおける内と外

published at 2018.07.24 09:48

システムとは何か。一年半ほど前、大学の恩師と話をしていたところ、「君の仕事はどういう仕事なのだ?」と聞かれた。ウェブサイトを作っているとか、ウェブアプリケーションを開発しているとか、会社の資料を作っているとか、そういう個別の仕事の説明はしていた。しかしその質問の意味は、要するに私がやろうとしている仕事は何なのかという質問だった。自分の仕事についてろくな説明をできず、情けない思いをした。

私が作ろうとしているのは、なんらかのシステムである。システムとはどういうものか。
・有機的に結びついている(機械的、非生命的でない)
・ネットワークで相互接続されている(単体でない)
・点と線で構成され、その結果として面が現れている(一点だけでない)
・動的である(静的、固定的でない)
・1つの点への影響が、全体に波及する
・常に相互接続されている(切断されることがない)

システムとは、例えるならどういうものがあるか。
・組織(人々が協力して何かを遂行する)
・意匠(視覚表現のパターン、バリエーション、アルゴリズム)
・生態系(食う・食われるの関係、生きる・生かされるの関係)
・交通(渋滞など)
・人体(不調がある、機能ごとに系に分かれるが他の機能も担うことがある)
・思考(モードがある、集中モードと散漫モードなど、モードによって同じデータを与えても導き出される結果が変わる)
・言語(言葉自体の体系と、言葉を通じた思考の体系と、言葉を通じた人間関係の体系の3つに関わる)

システムが影響を及ぼすのは、内部にあるものだけでなく、外部にあるものにものにも及ぶ。言語がそうである。言葉の単語、単語のもつ意味、発音、文法上のルールなどという言葉自体のシステムがあるが、これは内部的なシステムである。言葉を用いて人間は思考し、他者とコミュニケーションをする。このような外部的なものまで言語は影響を及ぼす。

システムとはどこまでを内包するものか。外部的だとみなされるものまで、システム内部だとみなせば良いのか。外部要素があるとすれば、例示した項目に当てはまる外部要素とは何か。
・組織(市場、政治の方針、他の組織との関係)
・意匠(発注者が伝えたいメッセージ、最終的に伝えたい相手やユーザの嗜好)
・生態系(災害)
・交通(天候、交通量、傾斜や道幅など道路の走行しやすさ)
・人体(空気、栄養、他者、活動の内容)
・思考(身体、怪我と病気)
・言語(思考、人間関係)

こういうものを外部要素とみなすなら、まるごと含めてシステムと見なした方がよい。しかし、私が外部と見なしたかったのはこういうことなのか、しっくりきていない。

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